スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

明けましておめでとうございます

201601002_20160103145458732.jpg
スポンサーサイト

Season's Greetings and Happy New Year 2015

Season's Greetings and Happy New Year

この十数年,年賀状にはその年の干支にちなんだ植物を Antique Botanical Print のコレクションから選んでスキャナーで読み込み,その画像をテーマとしている.
植物名は和名・漢名・英名・ラテン名などから探すが,なかなか難しい.

今年は未年なので,賀状には躑躅(シナレンゲツツジ)と淫霍(ヤチマタイカリソウ)とをプリントした.

image01_20141223075820157.jpgimage03.jpg
William Curtis's "Botanical Magazine or Flower Garden Displayed"
Plate 5905, Rhododendron sinense (1871) ORANGE JAPANESE RHODODENDRON

PAXTON'S "Magazine of Botany and Register of Flowering Plants"
Epimedium Macranthum (1840's)

カニクサ ツンベルク 英国・米国では観賞用に導入 米国南部では厄介者に ハワイでも

西欧にカニクサに学名をつけて紹介したのは,長崎出島のオランダ商館の医師として赴任し,多くの日本産の植物を紹Thunb 328介したカール・ツンベルク (Carl Peter Thunberg, 1743-1828,滞日1775 - 1776)で,彼の『日本植物誌』(Flora Japonica)(1784)にはハナヤスリ科ハナヤスリ属に属するとして Ophioglossum japonica と命名して記載した(右図).

しかし 1800年に Olof or Olavo (Peter) Swartz (1760-1818) がフサシダ科カニクサ属 Lygodium に転科転属し,現在有効な学名 Lygodium japonicum にした.

1857, Lygodium Japonicum, E J Lowe Ferns British And Exoticツンベルクの『日本植物誌』には,生育地として長崎,越戸?,薩摩が挙げられ,日本名として,Kaikinsja, Siamisen Tsulu, Sasin Ito が記録されている.長崎地方の地方名でそれぞれ,海金砂,三味線蔓,三線(さんしん)糸と思われ,カニクサ(1/3)に記した江戸時代の本草書の地方名と比較すると興味深い.

江戸時代には,日本ではカニクサは観賞用として栽培されていたが,英国・米国にも19-20 世紀に鑑賞用植物として導入された.

英国では遅くとも 1857 年には,美しいシダとの評価が確立していて,いくつもの庭園,植物園で栽培されていた.左に掲げた E. J. Lowe の “Ferns British And Exotic” の説明文には Japanese climbing fern として “A very pretty climbing Fern. A stove species” 「大変可愛らしい蔓性のシダ,温室向き」とし “It may be procured of any Nurseryman” 「多くの育苗園から入手できよう」とある.ヤツデと同様,当時流行だった熱帯地方の植生をイメージさせる鉢植え,特に噴水や池の近くのパーゴラやトレリスにからませるために用いられたと考えられる.

米国には1900年代初めに観賞用 (ornamental plant) として,フロリダに導入された.

しかし英国とは異なり暖かいこの地方では,逃げ出し野生化した.M. L. Anderson は American Fern Journal vol. XI, p90 (1921) に,彼女は「1913年に南カロナイナの
AFJ vXI 1921
友人の庭で,近くの藪で採集され,鉢植えにされたカニクサをみた.1920年3月には南カロナイナ,サウスビルの町の目抜き通りの溝に生えているのを見出した.その時点では乾いて褐色の胞子葉をつけていて,数フィートの長さに達し,小さな藪に絡まっていた.2本ほど苗を持ってきて鉢に植えたが,一年後には,数フィートの長さまで盛んに成長した.
ジョージア州では1905年には帰化していることが確認されている.またチャールストンの L. Bragg さんは,この植物は園芸家によって導入されて,温室で美しいつる植物として育てられていたが,逃げ出し野生化した.と言っている.
た,日本に長年暮らしている友人から,” Kamahura” (鎌倉)周辺の6箇所以上の場所で,カニクサが砂丘に生えている松林の縁に生えている竹に絡まっていたり,地面を這っていたりするのを観察した.しかし,このシダは二三種の自生のシダとは異なり,観賞用とはされていない.」と記している.

逃げ出し野生化したカニクサは,30㍍にも巨大化することもあるとのこと.これに胞子をつけて撒布し,子孫を増やしたカニクサは,厄介者と化した.以下のHPに繁茂の状況が詳しいが,まさにジャングル状況.(USDA, National Invasive Species Information Center, www.invasivespeciesinfo.gov/plants/japclimbfern.shtml).
スイカズラと同様に樹木に絡まりキャノピーをつくり,樹木や,その下に生える植物の光合成を阻害するだけではない.山火事の際には,樹冠まで火を誘導し,樹木を完全に燃やしてしまうが,自分自身は土中に茎や根があるため,火の影響をうけず,火事のあとはむしろ灰の栄養を受けてますます繁茂し,胞子で生息域を拡大する.

現在では南部を中心に 14 州への侵入が確認されていてますます分布域を広げる勢いだ.

海を渡った日本の花 (31) ハカタユリ -工事中-

 Lilium brownii F. E. Brown var. colchesteri Curtis 1813-1591 Lilium japonicaM  
  Curtis, Lilium japonicum (1813) (英,銅板手彩色)   
 
s-Thunberg L. japonicum中国原産の大型で美しいユリ.「百合」とはこの植物を指すのではと,牧野富太郎博士の著書『植物一日一題』の『百合』の項で引用している『植物名実図考』の図を見ると思われる. 
ハカタユリの名の日本の現存文献での初出は「犬子集」との事*1だが,日本には古く渡来し,多くの図譜や衣類・什器の模様として描かれている*2.  
現在,日本ではほとんど栽培されていないが,明治・大正時代には広く栽培され,球根は海外にも輸出された.

欧米では初期にはツンベルクの Flora Japonica に記載された “Lilium japonicum” (左図)と同定され,この学名で知られ,その美しさと芳香で高く評価されていた*3.

 
Bessa 1810 BOTANICAL CABINET 1820 Yokohama Nursery

Bessa, Lilium japonicum (1810, Herbier General de L'Amateur)(仏,銅板手彩色)

Loddiges, Lilium japonicum (1820’s, BOTANICAL CABINET) (英,銅板手彩色)

横浜植木, Lilium brownie (1899, 米国向けカタログ)(日,多色木版)



*1 磯野直秀 慶應義塾大学日吉紀要 69-94, 45, (2009)
*2 大久保敬 九大農学誌 145-163, 61 (2), (2006), 大久保敬 九大農学雑誌,1-8, 63 (1), (2008)

海を渡った日本の花 (30) ショウジョウバカマ 「東アジア・北米隔離分布」

Heloniopsis orientalis

太古の時代に北東アジアと北米とが地理学的に結ばれていた事の証拠となった植物の一つ. 
 
Thunberg-S bifolia orientalisツンベルクは“Flora Japonica (1784)” で,ショウジョウバカマを欧州に自生するツルボの一種,Scilla biflora と同じとして記載したが,1794 年にその誤りに気づき,新種として “Trans. Linn. Soc. London 2: 334. 1794” で Scilla orientalis の学名を与えた(左図,上下). 

一方,日本開国のきType speciment NYBGっかけとなったペリー艦隊と同時期に,北東アジア沿岸を探索した米海軍ロジャー提督の艦隊に同行した植物採集家のチャールズ・ライト(1811~1885)が北海道の北端,稚内ノサップ岬付近で採集した植物標本の中にショウジョウバカマがあり(右図),これらの艦隊が収集した植物標本を研究したハーバード大学のエイサ・グレイ教授(Asa Gray, 1810-1888)は,ショウジョウバカマが合衆国のペンシルバニアやデラウエア州に自生する Helonias bullata に似ている事に気がつき,Helenopsis pauciflora の学名を与えると共に,東北アジアと北米大陸の植生の類似性を指摘した.
 “I now come to a very interesting plant, of which two or three specimens were gathered on Cape Romanzoff, in fruit only, but with all the parts of the flower so far persistent that the whole structure has been made out, and secured by drawings. It may be briefly described as a Helonias with few flowers, a single and slender style surmounted by a depressed-capitate stigma, and the seeds appendaged only at the hilum.
 Two things are noteworthy respecting this plant: -
1. Its conformity to the rule, if it may be so called, that peculiar Eastern North American types have their counter parts in Japan. For the original and only true Helonias - one of the rarest plants in the United States - is found only in a few localities in New Jersey, the adjacent parts of Pennsylvania and Delaware, and in Virginia.
2. Its single style, with even the stigmas united into one, annihilates one of the two diagnostic characters of the order Melanthacae . There is reason for supposing that the common Chamaelirium luteum (Veratrum luteum, Linn., Helonias dioica, Pursh.), of the Atlantic United States, likewise has a Japanese counterpart in the Melanthium luteum of Thunberg, or Helonias ? Japonica, R. & S. ; but this plant has not been rediscovered.”(from "Memoirs of the American Academy of Arts and Sciences, New Series", Vol. 6, No. 2 (1859), pp. 377-452)

彼は他にもペリー艦隊の採集した資料やシーボルトの "Flora Japonica" から,日本と北米との野生植物との類似性に着目し,「東アジア・北米隔離分布」の概念を1859年に発表した.この「隔離分布」はブナ,ツガ,ユリノキやヒトツバタゴなどの高木類,マンサクやアジサイなどの灌木類,カタクリ、ザゼンソウ、ショウジョウバカマ、エンレイソウなどの草類で確認され,現在では、古代、北米大陸とユーラシア大陸が北部で陸続きであった事の重要な生物学的証拠と認められている.

その後,ツンベルクの与えた種小名 orinetalis が先名ルールにより復活し,現在の学名となった.なお,Heloniopsis とは Helonias に似ているとの意味である.

Curtis 1804 747m Curtis BM 6986m
ショウジョウバカマの類,上左:米国産(Heloniopsis bullata, Curtis’s Botanical Magazine,1804) 銅版手彩色, 上右:日本産ショウジョウバカマ,(Heloniopsis japonica, = H. orientalis  , 同誌, 1888) 石版手彩色

ペリーの航海は、約200年間鎖国していた日本と米国の架け橋となったが,日本の寄港地で自然資料を積極的に収集した彼の探究心が,期せずして自然科学の上で,太古の時代に東アジアと北米とが実際に結ばれていた事の証拠をもたらすきっかけとなった.

プロフィール

花盛屋敷

Author:花盛屋敷
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

Please visit my another Blog

最新記事

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

RSSリンクの表示

最新コメント

最新トラックバック

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。