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Friedrich Justin Bertuch “Bilderbuch f醇в Kinder” 『子どものための絵本』

F J ベルトーフ “Bilderbuch f醇в Kinder” 『子どものための絵本』(1790-1830 12巻 ドイツ)

ドイツ・ワイマール出身の出版業者Friedrich Justin Bertuch (F. J. ベルトゥーフ 1747-1822)が Industrie Comptoir, 社から出版した,世界初の子どものための百科事典.正式な書名は『子どものための絵本:動物,植物,草花,果実,鉱物,衣装その他各種の学ぶべきものを,自然,芸術,学問の領域から集めた楽しい本』である.

1790年に小冊子の形態で出版が始まったが,1792年にこれらが合わさって第1巻となり,1830年までに各巻700ページの12巻が出された.上記のようなあらゆる分野の事柄が,詳細な銅版手彩色図と独語と仏語(イタリア語とラテン語?)で解説されている.豊富に挿入されている手彩色図は,ベルトゥーフが設立した王立自由製図学院の優秀な若手銅版画家やアーティストによって描かれた.

内容は,世界の七不思議,古代遺跡,火山や地震など自然現象にも及んでいる.各巻ごとにテーマが決まっているのではなく,例えば生物の次のページは地理,その次のページは神話,のように,全く違うテーマが任意に並び,最後に索引が付いている.第1巻の序文によると,子どもたちが読んでいて飽きないよう にという配慮があったとの事.

タイザンボク,シキミ (Tulip Tree & Japanese Anise Tree, Der Tulpenbaum & Der Stermanis) 図及び解説
Tulip tree & Japanese Anise text of above


図:オニユリ (Tiger lily, Die japanische Tiger-Lilie - Le Lis Tigre du Japon) このオニユリの図は 1810 年に刊行された英国カーチスボタニカルマガジン(図右)からの剽窃と思われる.
sm-Friedrich Justin Bertuch Tiger lily Curtis TL

 
後に Carl Philipp Funke (C. Ph. フンケ 神学者・教育者 1752-1807)による学習指導解説書(Ausf醇・rlicher text zu Bertuchs Bilderbuche f醇в Kinder) 24巻 が付けられた.

なお全頁を Heidelberg 大学の HP で閲覧できる (htpp://digi.ub.uni-hidelberg.de/digit/bertuch).
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K Blossfeldt (3/3) “Wundergarten der Nature” “Wunder in der Natur”

これらの図譜はブロスフェルト自身の手により,フォトグラビュール (Photogravure) という手法で版を作り,印刷された.写真家の堀越政一さんによると「ヘリオグラヴュール(Heliogravure)とも呼ばれるこの技法は銅板画技法のアクアティント、フォックス・タルボットの写真版刻法(Photographic Engraving、一種の写真凸版)を基本に、 1879年オーストラリア在住のチェコ人カール・クリッチにより確立された。具体的には、アスファルト(あるいは松脂)の粉末を散布し熱して付着させた銅板に、ポジ画像を密着焼付けしたカーボンチッシュ(顔料を含むゼラチンを紙に塗布し重クロム酸カリウムで感光性を与えたもの)のゼラチン層を転写する。それを温湯で処理すると写真の明暗にしたがってゼラチンの厚・薄の膜(耐腐食膜=レジスト)ができる。それを乾燥後、塩化鉄(溶液)などに浸して腐食処理を行うと、レジストの厚い部分は浅く、薄い部分は深く腐食され、凸版ができる。その凸部にインキを詰めて紙に転写すると、凸部の深浅に対応したインキ量の多少による濃淡により連続階調の像が得られる。(http://www5.ocn.ne.jp/~mhpro/school/print.html#14)」
したがって,印刷物と同じ大きさのポジが必要とされるので,ブロスフェルトは 22 x 28.5 cm という大きさのポジ乾板が装着でき,マクロレンズをつけた写真機を自作し,得た乾板に以上の操作を行い,銅版の原版を得たと考えられる.

Blossfeld 2-003 
Tanaxicum officinale (x12.45),セイヨウタンポポ 冠毛
“Wundergarten der Nature”「自然の驚異の庭」(1932年)

Blossfeld 3-111 
Impatiens glanduligera (no magnification),オニツリフネソウ
“Wunder in der Nature”「自然の驚異」(1942年)(これと良く似た構図の同植物の図譜が “Urformen der Kunst” にもある.#107 - Impatiens glandulifera, Indian balsam)

Blossfeld 3-003 
Hosta japonica (magnified 4 times),Cornus brachypoda (magnified 12 times), ギボウシ,クマノミズキ
“Wunder in der Natur”「自然の驚異」(1942年)

年譜
1865年 6月13日ドイツ中部の村シーロに生まれる.
1884-1890年 ベルリンのプロシア王立工芸美術館付属美術学校で学ぶ.
1890-1896年 M.モイラー教授についてイタリア,ギリシャ,北アフリカを旅行.ブロンズのモデルやレリーフ制作の教育に使用するための自然の形態資料の収集が目的.
1898年 ベルリン王立芸術工芸大学で彫塑を教える.(1921年正教授に就任)
1899年 王立工芸美術館付属学校に新設された「生きた植物による彫塑」という講座担当に任命され,教材として植物写真を用いる.
1912年 南ヨーロッパ,北アフリカをたびたび旅行する.
1926年 ベルリンの画廊ニーレンドルフで最初の展覧会を開く.
1928年 ニーレンドルフの序文で「芸術の原型 “Urformen der Kunst”」を出版.反響を呼びアメリカ,フランスなどで翻訳本が出版される.翌年には第2版が出版される.
1932年 「自然の驚異の庭 “Wundergarten der Nature”」を出版.12月9日ベルリンで死去. 
1942年「自然の驚異“Wunder in der Nature” 」 が出版される.

Karl Blossfeldt “Urformen der Kunst (2/3) ” Japanese plants

カール・ブロスフェルト 「芸術の原型」(1928年,1929年)にはいくつかの日本植物の写真が掲載されている.No.10 のクマノミズキの冬芽No.23 のクリンソウの実の付いた茎No.67 No. 70 のアスナロの葉のついた枝,“Wunder in der Natur”「自然の驚異」(1942年)の No.79 の ギボウシ,クマノミズキ.これがどのように工芸や装飾に生かされたのか,見てみたい. なお,これらの掲載した画像は,持っているスキャナーのスキャンできる範囲が A4 なので,マージンの一部がかけている.

Blossfeld 023
No.23 : Primula japonica (magnified 6 times) クリンソウ

Blossfeld 067
No.67 : Thujopsis dolabrata (magnified 10 times), Ruta graveolens (magnified 8 times) アスナロの枝,ルウの花

Blossfeld 070
No.70 : Thujopsis dolabrata (magnified 10 times), Solanum tuberosum (magnified 5 times) アスナロの枝,ジャガイモの花

カール・ブロスフェルト Karl Blossfeldt (1/3) "Urformen der Kunst” 「芸術の原型」

カール・ブロスフェルト Karl Blossfeldt (1865-1932) はドイツの彫刻教師.ベルリン王立芸術工芸大学で彫塑を教える。学生達に,自然におけるデザインを教えるために,自ら撮影した植物の写真を用いたことで知られる.写真術を独学で学んだのち,対象を30倍まで拡大撮影できる写真機を自作し,35年に渡って植物の部分(芽,花,蕾,,葉など)を撮影し,3冊の写真集として出版した.彼は「植物は決して単なる無味乾燥な機能主義に堕落しない.その形は論理的であり,また最適である.植物の原初的な力は,全てのものを最も高い芸術的な形状を取るように仕向ける」と言っている.

彼の写真は,普段気づくことのない植物の魅力的な構造・形態を写し取り,学生に植物が単なる装飾ではなく,その構造から学ぶべきは機能と美とのバランスを如何に自然が達成しているかということであると教えたのであろう.
Blossfeld 010 

No.10 : Cornus brachypoda (magnified 12 times), Cornus pubescens (magnified 15 times), Viburnum (magnified 8 times) クマノミズキ,ミズキの類,ガマズミの類 の冬芽と葉痕, 『ふゆめがっしょうだん』写真:冨成忠夫、茂木透、文:長新太(福音館書店,1990年)の先駆,

本来芸術工芸大学での教育用として撮影された120点の写真を収録した “Urformen der Kunst” 「芸術の原型」(1928年)は当時の人々の関心を生命の神秘や自然の造形の驚異にむけさせ,アメリカ・フランスなどで翻訳本が出版された.翌年には第2版が出版された.1932年 には同じような “Wundergarten der Nature”「自然の驚異の庭」が出版され,更に死後の1942年には “Wunder in der Natur”「自然の驚異」が出版された.シュールレアリスムをはじめ同時代の芸術家たちの仕事に,これらの作品を通して彼の果たした役割の重要さが指摘されている.

Blossfeld 012
No.12 : Guem rivale (magnified 25 times) フウリンダイコンソウの花 (但し,萼は除かれ,方向は上下逆) 

Blossfeld 013 

No.13 : Aesculus parviflora (magnified 12 times) トチノキの類の冬芽と葉痕

ドイツ・オーストリア・スイスの花 (5/5)

Flora von Deutschland, Österreich und der Schweiz in Wort und Bild für Schule und Haus   (5/5). 多色石版

FVD 5-1 FVD 5-2 FVD 5-3
1886 Paeonia corallina, Peony, ボタン科
1886 Petasites officinalis, ニオイカントウの類縁種
1886 Tulipa silvestris, Wild Tulip チューリップの一種

この叢書に多数の原図を描いた画家,ワルター・ミューラー(図譜に W. M. とサイン)はライプチヒに近いゲラで活躍した植物画家で,構成力に優れた作品を多数書物に残している.当時,植物画家としての重鎮で,いかにもドイツ的な科学的に正確な描写であるが,部分拡大図や解剖図も組み合わせて一つの画面を構成することにより,巧まずしてモリスなどのプレ・ラファエロ派の植物をモチーフとした意匠と通じる装飾性を感じる図を作成した.その後機会があったので,彼の図を多く掲載する以下のオリジナルの3冊を入手できた.

1886 "Flora von Deutschland, Oesterreich und der Schweiz...." First edition. Band 3. 145 Color plates, 372 pages
1889 "Flora von Deutschland, Oesterreich und der Schweiz...." First edition. Band 4. 151 Color plates, 575 pages.
1886 Schlechtendal, D. F. L von et al,“Flora von Deutschland”No. 26. 72 color plates 199 pages.
FVD Vol-3 FVD Vol-4 Flovode26
Vol 3-1 Vol 4-1 Flovode 26-1

そのうち図譜を紹介したいが,本を傷めるスキャナーは使いたくないので,デジカメ画像になるかも.
(この項 終了)

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