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輸出用百合型録 株式会社横浜植木商会 明治31年 (10/10)

LILIES OF JAPAN BY THE YOKOHAMA NURSERY Co., Ltd 1899年
寺島良安『和漢三才図会』(1713頃)
「山丹(やまゆり)」 (注 現在のヒメユリか?ヤマユリではない.挿図は前記事)
本綱 山丹は其の根百合に似て、小さくして弁少なく、茎も亦た短く小さし。其の葉狭く長くして尖り、頗る柳の葉に似て、百合とは迥(はるか)に別なり。四月に紅花を開く、六弁四もに垂れず。亦た小さき子を結ぶ。其の根も亦た之れを食ふに甚だ良からず、白花の者に及ばず。根(甘く涼)瘡腫及び女人の崩中を治す。其の花は血を活し、其の芯は庁瘡悪腫に傳く。画譜に云ふ、山丹の花は朱紅の如く、外に黄白の二種有る者奇と称するも亦た在り。春分に分かち種う。
夫木 庭の面の犬さへさくる夏の日に独り露けきひめゆりの花 土御門院

△按ずるに山丹の花は横に垂れ或は上に向ふ。肉は紅色に細点有り、或は之れ無く、摂州多田の奥の山中に多く之れ有り。
 児山丹(ちごゆり) 花小さく美にして茎矮(ひく)く甚だ愛づべし。江戸より出づ。
 唐山丹(からゆり) 花の色正赤、弁厚くして上に向ふ。同じく相似て弁薄き者を緋山丹(ひゆり)と名づく。此の二種中国より来る種なり。唯だ未だ外黄白の二種を見ざるのみ。  
 
Combined Lilies-2 「巻丹(おにゆり)」 = オニユリ
本綱、巻丹の茎葉は山丹に似て梢長く太く、其の花六弁紅花、黄を帯びて四もに垂れ、山丹より大にして上に黒き斑点有り。四月に子を結ぶ。其の子先づ結んで枝葉の間に在り。秋に入りて花を開き顚(いただき)に在り。誠に一異なり。其の根に弁有りて百合に似たり。食ふに堪へず。
△按ずるに、巻丹は千葉有り、単葉有り。処処に皆多くして甚だ之れを賞せず。画譜に云ふ、番山丹に二種有り、一種は花の大きさ碗の如く、弁倶に捲き転(かえ)り、高さ四五尺、一種は花椀の如く砂本止尺に盈つ。茂る者一榦両三花朶、更に観つべし。亦た毎年八九月を須(ま)ちて分ち種ゑ、方さに盛んなり。

「車山丹(くるまゆり)」 = クルマユリ
△按ずるに、此れも亦た巻丹の別種なり。葉は略(ちと)潤ひ、対生して車輪の如き故、車山丹と名づく。其の花弁捲き転(かへ)り、横に垂る、数種有り。下野の日光の産は花小さく深黄色、和州の大峯の産は赤色に黒き点有り珍と為す。黄色の花大なる者を竹島と名づく(注 タケシマユリ(竹島百合)Lilium hansoniiか)。倶に花を以って之れを賞す。

Japan Lily X Japan Lily XIX
X. Lilium tigrinum splendens. オニユリの品種
XIX. Lilium medeoloides. クルマユリ

Japan Lily XXV Japan Lily XII
XXV. Lilium davuricum. エゾスカシユリ
XII. Lilium callosum. ノヒメユリ/スゲユリ

Japan Lily XXXIII Japan Lily XXXIV Japan Lily XXXV
XXXIII. Lilium concolor salisb. Coridion OKIHIME. ヒメユリの品種
XXXIV. Lilium concolor salisb . ヒメユリの品種
XXXV. Lilium concolor salisb. Coridion. ヒメユリの品種
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輸出用百合型録 株式会社横浜植木商会 明治31年 (9)

LILIES OF JAPAN BY THE YOKOHAMA NURSERY Co., Ltd 1899年
寺島良安『和漢三才図会』(1713頃)
百合(ゆり)  
s-連結画像-1st本綱 百合は一茎直ぐに上り、四向して葉を生ず。苗の高さ二三尺、葉は短き竹の葉に似て、五六月に茎の端に木白花を開く。長さ五寸、六出紅き茈四つに垂れ下に向ふ。実を結びて略(ちと)馬兜鈴に似たり。其の肉子も亦た之れに似たり。根は大蒜の如く数十片相累なり四向す。其の味山の藷の如くなる故、蒜脳藷と名づく。或は云ふ、蚯蚓結び纏ひ化して百合と成ると。此れ恐らくは亦た浪伝のみ。百合(ゆり)、巻百合(おにゆり)、山丹(ひめゆり)一類三種なり。
根(甘) 蒸すべし煮るべし。肉に和ぜて更に佳し。乾きたるは粉に作して食ふ。最も人に益あり。又能く傷寒の後の百合病を治す故に百合と名づく。(所謂る百合病は、病後未だ平復ならず、調理を失し変症と成り、或は寒に似、又、寒無く熱に似、又、熱無く口苦く、薬を入れて即ち吐き、乍ち起ち乍ち臥し、鬼の崇の如くなる者是れなり)
古今医統に云ふ、春百合の根の大なる者を取りて壁弁を五寸一科に之れを種う。先づ掘ること深さ五六寸、難糞一層を着し、次に土を加へ然して後弁を以って土の上に安き、之れを葢ひて二三月に之れを鋤き、清糞を灌ぐ。二年に逾ふ。盞の大なる者の如し。熟して之れを食ふ。

塩みたぬ野島か崎のまゆり葉も入ぬる磯は五月雨の比


△按ずるに、百合は北国に最も多く、根を以って調莱必用の物と為す。畿内に只だ花を賞して根を食ふ者多からず、数品有り、今美称する所の者を取りて左に記す。
 袂(たもと)百合 花は正白色、葩(はなびら)の厚く大にして上に向かひ、或は横に垂る。最も愛すべし。本は琉球深山渓谷の間に出づ。之れを得難し。人縄に鎚り下りて纔(わず)かに一株を袂に入れ、復た縋り上る故、袂百合と名づけて之れを珍重すと。
 黒百合 凡そ花に黒色の者絶えて無し。惟だ此れ紺色、愛すべし。本は奥州より出でて畿内に之れを移し種ゑて、花甚だ希なり。土地相応ぜずして然るか。
 透明(すかし)百合 白紅黄の数種有り。上に向かひて開く。花弁鮮明にして美なり。奥州より出づ。佐渡越後にも亦た之れ有り。
 博多百合 花は黄白色、背に赤斑の文理有り。

XIV XXX XXI
XIV. Lilium bateman. スカシユリ
XXX. Lilium elegans semipleno. スカシユリ,半八重種
XXXI. Lilium elegance pleno. スカシユリ,八重種

XXXII XXVII XXVIII
XXXII. Lilium elegans imcomparable. スカシユリ
XXVII. Lilium elegans Alice Wilson. スカシユリ
XXVIII. Lilium elegans atrosanguineum. スカシユリ

輸出用百合型録 株式会社横浜植木商会 明治31年 (8/8)

LILIES OF JAPAN BY THE YOKOHAMA NURSERY Co., Ltd 1899年

日本の外貨獲得の一翼を担った百合根であったが,戦争や植物ウィルス,海外での栽培技術の確立に伴い,現在ではほとんど輸出はされず,逆に海外で育種された数多くの園芸種が輸入される様になった.しかし,1970年代にオランダで作出されたカサブランカのような,観賞価値の高いユリには全てと言っていいほど日本原産のユリの血が入っている.

シーボルトが移出して欧州で歓迎された日本原産のユリについてのお話は,私の下記のブログ記事 1) - 6)を,
1)海を渡った日本の花 (22) ヤマユリ-2
2)海を渡った日本の花 (22) ヤマユリ-1
3)海を渡った日本の花 (18) オニユリ
4)海を渡った日本の花 (16)スカシユリ
5)海を渡った日本の花 (10)テッポウユリ
6)海を渡った日本の花 (9)カノコユリ
見てください.

またユリ根の輸出に関しては,7)国立公文書館アジア歴史資料センター(あの藤原紀香さんがイメージキャラクター)の「政治・経済 百合根の輸出 欧米で愛された日本の草花」,8)横浜開港資料館 企画展 港町 百花繚乱-横浜から広がる「緑花(りょくか)」文化-, 9)横浜植木株式会社のホームページ から興味深い情報を得ることが出来る.

7)http://www.jacar.go.jp/special/contents/p03/contents06.html
8)http://www.kaikou.city.yokohama.jp/journal/102/index.html
9)http://www.yokohamaueki.com/company/history.html

XVIII. Lilium rubullum XIII Lilium cordifolium

XVIII. Lilium rubullum ヒメサユリ
XIII. Lilium cordifolium ウバユリ
(この項 ひとまず終了)

マダムX + 輸出用百合型録 株式会社横浜植木商会 明治31年 (7)

LILIES OF JAPAN BY THE YOKOHAMA NURSERY Co., Ltd 1899年

欧米に渡った日本の百合は芸術の面でも影響を与えた.箱根のラリック美術館の企画展 “ラリックに咲いたシーボルトの「和の花」”(2008年4-9月)ではフランツ・フォン・シーボルトが欧州に移出した日本の植物,特に百合をモチーフにしたガラス工芸家のルネ・ラリックの作品を,その元となった花々や,横浜植木の 1899 年のカタログと共に展示した(浜美枝ダイアリー http://blog.hamamie.jp/2008/07/post_77.html).

しかし,もっと有名で,世界中で愛されている絵画に,日本の百合は描かれている.
MadamX 2011年4月18日にBSプレミアムで放映された “ 極上美の饗宴 シリーズ美女第3回 ▽クールな横顔ポーズの謎 サージェント マダムX” で紹介された “マダムXの肖像” を描いたジョー・サンガー・サージェント(1885-1886)の良く知られた作品にである.
この肖像を描いたスキャンダルでフランスから逃れ,英国に渡った彼は,特に子供達の遊ぶ平和な情景に心引かれ,友人達の子供をモデルにいくつもの傑作を残している. 
 
Lilyその中でも最も有名な,テート・ギャラリーに収蔵されている “Carnation, Lyly, Lily, Rose” は,夕暮れ時に多くのヤマユリが日本の提灯のやわらかな光に照らされている庭で遊ぶ少女達の一瞬を描いて,最高傑作の一つとされている.

この絵の古きよき時代を呼び起こすノスタルジックな雰囲気は今なお愛されて,エンヤ(Enya)が歌う“On My Way Home”のミュージックビデオには,故郷に帰る汽車の中で開くアルバム写真の中で,“Carnation, Lyly, Lily, Rose”の登場人物の一人として,少女時代の彼女が提灯に火を入れる実写映像が使われている.ただし,この動画での百合はヤマユリではなく,テッポウユリ.この物語は当ブログの“海を渡った日本の花 ヤマユリ(2) ”に詳しい.
VIII. Lilium Speciosum rubrum XXIII Lilium Maximowiczii
VIII. Lilium Speciosum rubrum
XXIII. Lilium Maximowiczii

輸出用百合型録 株式会社横浜植木商会 明治31年 (6)

LILIES OF JAPAN BY THE YOKOHAMA NURSERY Co., Ltd 1899年

明治末期から多くの日本人の商会が,百合根をはじめ,多くの園芸植物の輸出に進出したが,個人的な会社が多く,その力は弱かった.一方,政府も輸出業者の不当競争の防止,金融の円滑化等のために1925年に輸出組合法を制定し近代化を計った.
百合根輸出組合1926年の5月の大阪毎日新聞によれば,商工省は各方面に組合設置を慫慂しているが初期には申請者が少なく、いまだ一つも認可したものはないが,日本百合根輸出組合(横浜)が計画中との記事が載っている.
ようやく昭和7年の4月23日百合根輸出の振興を図る為,日本百合根輸出組合が設立され,組合長に横浜植木の鈴木清蔵社長が就任した.これ以降,輸出は各商社が行ったものの,輸出検査や外国からの問い合わせ等にはここが窓口として担当したらしい. 

1932年(昭和7) 9月の東京朝日新聞は,もっとも輸出量の大きい沖永良部島のテッポウユリに目をつけた三菱商事は日本百合根輸出組合に対抗して鹿児島県永良部島の早成種百合根五百万球の買占めを行い,これを横浜へ輸送せしめて愈輸出に取りかかったが,輸出組合との確執が未解決のままにある為,輸出検査が容易に捗らぬので三菱側では輸出組合法第九条並に同施行細則第十九条に準拠して七月二日付商工省告示第二十七号を以て公布された規定の裏を潜り,日本内地に何等の営業所をも持たぬ英国のアングロジャパニース・デベロープメント・コンパニーに買占め百合根の全部を譲渡し,輸出検査を受けず税関の証明のみを以て横浜から既に二百万球の輸出を行い,尚続々として輸出しつつあると,総合商社三菱商事が沖永良部に進出してユリ根農家を取り込み,いわゆる「百合根戦争」を惹きおこしたと報じている.数年後,三菱商事は撤退したとのこと.

現在,沖永良部島のテッポウユリはほとんど輸出されず,国内市場向けに生産されている.以下のHPで現在の島のテッポウユリの栽培の様子を見ることが出来る(http://www.erabuisland.com/cgi-bin/tt3/category4/).

 Lilium elegans Orange Lilium auratum platphyllum
XXIX. Lilium elegans Orange
VI. Lilium auratum platphyllum

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