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海を渡った日本の花 (23) キリ

キリ (キリ科) Paulownia tomentosa=密に綿毛のある

Empress tree 英語圏での通称は「Empress tree:女帝の木」又は「Princess tree:王女の木」(右NY,ブルックリン植物園)。この名の由来にはシーボルトが深く関っている。

Siebodt P imperalis  彼は著書「日本植物誌」(1835)の「キリ」の項で「日本の英雄太閤様 (TAIKASAMA) の紋所にもなっている高貴なこの木を、後援者のオランダの大公妃、Anna Paulownaに捧げ、学名を Paulownia imperialis とする」とした(左-京大)。彼は「日本植物誌」そのものもアンナ妃に献ずるほど、妃の後援には感謝していた。Annna P

 アンナ妃(アンナ・パヴロナ 1795 - 1865 右図)はロシア王室出身なので、「imperialis (帝国の)」という種小名をつけたのだが、ツンベルクが1784年に葉の特徴から tomentosa としていたため、シーボルトがたてた属名のみが残り、今はお妃様には気の毒な学名となっている。なお,この方は人望があったと見え,オランダには名前を頂いた町が今でもある.

Paxton
 シーボルト自身も出島でキリを育てその成長の速さに目を見張り、鑑賞性と共に材の有用性にも着目し,欧州への移入を試みたが成功しなかった。欧州では1834年にクッシー子爵によってパリの植物園に種が蒔かれ,8年後の1842年4月27日に最初の花が咲いた.
 英国の植物図譜(左図 Paxton (英)1843 多色石版)にはその次の年に仏国で咲いた花が描かれている。1852年英国内で最初に開花した時には、葉や花の美しさと共に優雅な香りも讃えられた(右下図 Curtis (英)1852 石版手彩色)。
Curtis 
 しかし現在、米国南部では野生化し,羽のある細かい多数の種が風で広がるため、有害侵入植物とされている。重厚な家具が好まれる西欧では、材も額縁に用いるくらいで日本ほど珍重されていない。  
 
 日本では、女児が生まれると一本植えて、嫁入りの際に箪笥にしたと伝えられる.しかし貝原益軒の『大和本草』(1708年) や寺島良安の『和漢三才図会』(1713年頃) の記述には,「箪笥」ではなく「櫃」材とするとある。
 箪笥を一棹作るには25年物のキリ最低三本が必要で,更にアクを抜くために伐採製材後3年以上天日にさらす必要がある。実際には、数本植えて、嫁ぐときに桐専門の製材業者に引き取ってもらい、その代金で箪笥や嫁入り道具を用意したらしい。

Aburakiri  なお、提灯や和傘などに塗られた「桐油」は、トウダイグサ科のアブラギリの種子から得られる。最近、この類が食料資源を消費しないバイオ燃料の原料として再注目を浴びている。(左図 アブラギリの実,2008年1月秩父宮記念庭園)


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