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カーチスのボタニカルマガジン-1 (第一巻) "Botanical Magazine" Vol.1

私の植物図譜のコレクションの中でもっとも多いのは,カーチスのボタニカルマガジンからの図譜である.この歴史の長い植物雑誌については多くの資料があるが,ウィルフリッド・ブラント『植物図譜の歴史 芸術と科学の出会い(The art of botanical illustration 1951)』森村謙一訳(八坂書房,1986)の記述がもっとも読みやすいので,主にそれを引用する.

『ボタニカル・マガジン』(Botanical Magazine)は 1787 年にウィリアム・カーチス (William Curtis) によって創刊されたが,ほとんど中断することなく今日までずっと発行され続けている.こうして今やこの雑誌はイギリスの名物的存在となり,イギリス人が誇ってよいものであろう.

Portrate ウィリアム・カーチス(1746-99) は,ハンプシャー州のアルトンで生まれた.生家は現在,カーチスを記念して小さな博物館に変わっている.ある地方の薬種店での見習奉公のあと,二十歳のとき,ロンドンで商売を始めた.裕福とはほど遠かったが,まもなく助手を雇った.しかし,最後にはその商売から手を引くようになった.自分が本当にしたい仕事-植物の研究を続けるのに必要な時間を得るためであった.カーチスは今や読書,採集,バーモンジーでの庭作り,同好の士との意見交換などに明け暮れするようになった.努力の甲斐あって実行したこと考えたことが首尾よく運び,1722 年には二十六歳の若さでチェルシーの薬種協会の園芸教授と実地指導教授に任命された.
 カーチスは自分の知識を教授することに熱心であった.たとえば立案してもチェルシーでの講義がままならぬときには,自分の新しい庭園で植物学や園芸学について私設講座を開いた.その庭園は「ランベス湿地」-1951 年の博覧会場とほぼ同じ場所である- と呼ばれているところに独力で造ったものであった.ここでは 6,000 種ほどの植物も栽培した.しかしカーチスが一番興味をひかれたのはイギリスの植物相,ことにロンドンの近郊に育つような花々であった.ビュート侯の支援で最初の意欲的な企画『ロンドン植物誌』(Flora Londinensis) の編纂にのりだした.-これは首都から半径 10 マイル以内に育っている植物の図と解説からなるシリーズであった.
 
 『ロンドン植物誌』の最初の部は 1777 年に出されたが,その年カーチスは過労のためチェルシーでの職を辞した.そして十年間,自らの性分には合うが無報酬のこの仕事を根気よく続けた.一七八七年までに,カーチスの労苦はみごとなフォリオ判二巻本となって結実したが,同時に大変な赤字を抱え込み,この冒険的事業を続けられなくなった.だが,なぜ赤字になるのかを考えたすえに,その解決策を見出した.つまり,道端に生えているつつましやかな植物の画集が売れないのなら,庭園に咲き誇る華やかな異国植物の多色印刷画を作れば購読者たちの引き立てにあずかれるだろう,ということだった.こうして,一七八七年に『ボタニカル・マガジン』が誕生した.カーナス自身が言っているように,『ロンドン植物誌』は評価されただけに終わったが,『ポタニカル・マガジン』は「実質利益」をもたらしたのであった.
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[5] Erythronium Dens Canis. Dogs-Tooth, or Dogs-Tooth Violet, Hungary and some parts of Italy, セイヨウカタクリ
[10] Anemone Hepatica. Hepatica, or Noble Liverwort, Sweden, Germany, and Italy, スハマソウの母種

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[12] Dodecatheon Meadia. Mead's Dodecatheon, or American Cowslip, カタクリモドキ
[22] Nigella damascena. Garden Fennel-flower, Love in a mist, Devil in a Bush.among the corn in the southern parts of Europe, クロタネソウ

すべて,1787年第1巻に含まれる図譜,銅版手彩色.
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