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海を渡った日本の花 (31) シキミ

シキミ (シキミ科) Illicium Anisatum =アニスのような

シーボルトの畢生の大著「Flora Japonica(日本植物誌)」第一巻(1843)の巻頭を飾ったのは「シキミ」(下左図、京大)。この植物には彼の大きな思い入れがあった。

Sieboldt Shikimi   Kaempher Shikimiシキミはすでにケンペル(右図、京大)とツンベルクによって欧州に紹介されていたが、彼らはシキミをトウシキミと同一視していた。トウシキミ(Illicium verum)は、形からスターアニスや八角、あるいは香りから大茴香といわれる実をつける中国原産の樹木で、種は香辛料として中国料理に汎用される。
 シキミの実は形も香りも、トウシキミのそれと区別がつかないほどよく似ている。しかし、シキミは名が「悪しき実」に由来するといわれるように、種の味は不快で「アニサチン」など数種の有毒成分を含み、食すると呼吸興奮、血圧上昇、けいれん作用などを引き起こす。「しきみの実」は植物の種子としては唯一、毒物および劇物取締法で劇物に指定されている程で死にいたることもある。
戦前、八角と誤認され仏国に輸出された種では、死者を出す中毒事故がおき、またFDAが、2003年に米国で発生した八角茶による小児の中毒は、その中に混在しているシキミの種の可能性があると指摘した。

  シーボルトは「日本植物誌」で尊敬するケンペル達の誤りを指摘し、新種として種小名を、仏閣や墓地に多いことから Illicium religiosum (宗教的な)とした。さらに「シキミの輝くような密生した葉叢と数の多い花はより慎ましやかな桜の木の緑などより優勢で、ことに春には美しい効果を上げる。シキミの果実は何の役にも立たない。葉には毒があるとされているが、同時にまたフグという魚の毒性に対する解毒薬になるとされている。」と記した。

Kinder  この植物は多くの西欧の図譜に取り上げられおり,薬用植物図鑑だけではなく,ドイツ・ワイマール出身の出版業者 Friedrich Justin Bertuch (F. J. ベルトゥーフ、1747-1822) が出版した、世界初の子どものための百科事典 (Bilderbuch fur Kinder,1792-1830) にも図入りで取り上げられた(左図,花色から見ると,米国原産のアメリカシキミ Illicium floridanum と混同か?).(この叢書については,国際子ども図書館の下記リンクに詳しい) http://www.kodomo.go.jp/resource/collection/intro/bilderbuch.html

s-KoelerShikimi1M.jpg Eijkman は、1885年シキミの果実から「シキミ酸」を発見した。トウシキミの実にも含まれるシキミ酸は、インフルエンザに対する特効薬のタミフルの原料として需要が高まり、八角の価格の高騰を招いている。
Pharma
Winkler, E “Abbildung aller in den Pharmacopeoen” (独)1840 銅版手彩色(右)   
  

Koehler “Medizinal-Pflanzen” (独)1887  多色石版

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